アップサイクル×日本の伝統技術
日本人であれば馴染みのある「和紙」。和紙の製造技術は約1400年も前に生み出されており、日本人の生活に無くてはならないものとして存在してきました。
しかし現在は、後継者不足や需要の減少から、日本古来の手漉き和紙製造技術が失われてしまう可能性もあります。
この様な状況の中で「私たちに出来ることは無いか?」と考え、長い間培われてきた技術(手漉き和紙技術)と、端材として捨てられてしまうデニムを掛け合わせ、新たな素材としてデニム和紙を生み出すことで日本の文化を守れればと考えました。
更にこのデニム和紙を使い、家具職人の手によって、石の様に固く、輝きをもつ素材へと昇華させたものがデニムストーンです。
大型デニム和紙への挑戦
大量生産、大量破棄が主流となってしまっているアパレル業界。昨今では、その様な方針が見直され始めていますが、まだまだ年間で破棄される服は大量に発生しています。
大型和紙は大量に破棄され、焼却されてしまう衣類のアップサイクル比率を高めるために必要な手段であると考え、実験を開始しました。
また、今までのデニムや衣類のリサイクル、アップサイクルでは衣類を裁断しパッチワークする事をアップサイクルと呼ばれる傾向がありましたが、「デニムはジーンズの形が一番美しい」との考えの元、その服の持つ風合いは守りながら、新たなものとして生まれ変わらせる事をアップサイクルと考え、デニムストーンの開発を行っています。
インテリアの可能性を広げる新たな選択肢
デニムストーンは和紙の技術を活用している為、今までのマテリアルとは異なる利用を可能としています。
例えばレザーでは、三次曲線へ張る場合は、切れ込みを入れる・皺を寄せるなどの方法で加工していましたが、デニムストーンは切れ込みを入れずとも、皺になることなく活用できる新素材です。
また、仮に傷がついた場合でも「継ぎ紙」の技術によって修復を容易に行う事ができる為、汎用性が高く、長く使用してもらえるマテリアルともなっております。
今後はデニムだけでなく、様々な素材の開発にも注力していく予定ですので、注目頂ければ幸いです。